高校生の留学&ホームステイ おすすめの国は?

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高校留学はある日突然に。

「僕留学に行きたいです、1年間。」
「は?」

こんな会話が我が家に突如飛び交いました。
あまりに突然のことで、口があんぐりでした。

「何言ってるの、急に。」
「一年って留年するつもり?」

「そうなるけど、そうしたいです。」

「…」

その晩主人に、そんなこと言ってたよと軽く伝えました。たまたま仲良しの友達がやはり留学に行こうことになっていたので、「そんな気分になって盛り上がっているだけなんじゃないの。」と、主人も深く感じているようではありませんでした。

最初は、なんとなくこのまま流すのかなぁという雰囲気も、自分の中にはありました。

今思えば、「一年学年が遅れても行ってみたい」という勇気を最初から尊重すべきだったかもしれませんが、最初はそう思えなかったのです。

だって費用的にも幾らかかるかもわからないし、どこへ行くのか、どんな手続きするのか…

そして何より一年も遠く離れちゃうなんて、寂し過ぎる。

留学の意思は固かった。

一週間後には、ぼんやりした「留学行きたいです」が具体的な「行きたいです」に変わりました。

「交換留学でアメリカに行きたいです。
 締め切りになる前に申し込みたいです。
 お金は170万円です。」

「…」(沈黙)

「締め切りっていつよ?」と私。

「定員になったらすぐに締め切られるから、できればすぐに決めたい。」
「先生とも会って3人で面談してほしい。」

「あなたね、そんな170万円もかかるような話を今すぐ決めろって、ちょっと乱暴じゃない? わかってると思うけど、お金の話はお母さんじゃ決められないんだからね。それならお父さんを説得してください。」

まったく。
どうやら本気で言っているらしい。
しかも先生に三者面談のアポ勝手にとってるし。

今通わせている学校は老舗のIB校です。授業の9割程は英語でこなし、IBの素晴らしい理念のもと行われています。本場の英語人による指導だし、幼い頃から共に学んできたお友達(親子共に)にも非常に恵まれている。

親からすれば、これ以上の教育はないと思って通わせている。
なんの不足があるというの!

これが私の本心でした。

モヤモヤ感のなか、主人には伝えておかなきゃ、と。
どうやら本気で留学をしたいらしいことを伝えたのです。

僕に170万円投資してください。

うちの主人はいわゆるビジネスマンタイプの人間で、コンサルティング会社を経営しています。
平日は忙しく東京か外国のオフィスにおり、週末に新幹線で自宅に戻ってきます。
我が家では金曜日の夜から全員揃い、私にとっては最も安らぐ時間です。

そんな金曜日の夜、突如プレゼンが始りました。

主人には夕食の時に留学のプレゼンをしたいと、自ら伝えていたようです。

食卓の上にはファイルが準備されていました。

先ほど述べたよう週末は私にとって大切な時間なので、金曜日の晩ご飯はちょっとだけ気合を入れて作ります。(←作っているつもり?)平日はなかなかの手抜きですが。

この日のビーフシチューはまずまずの出来だったのですが…

「始めていいですか。」
「じゃあ聞こうか。」

と父子の交わした言葉を合図に資料が配られました。
ホチキス留めされたA4サイズ4枚にギッチリと書き込まれていました。

ここ何日かパソコンでパチパチやっていたのは、これだったのですね。

冒頭に「結論:一年間留学したい」に一文あり。

内容は盛り沢山でしたが大きく分けると以下の3つでした。

・ 甘えている自分を変える。セーフティーゾーンを飛び出し自立する。
・ 第一言語レベルの英語力を身につける。
・ ビジネスについて学びたい。

これまでの自分は人に甘えてばかりでダメダメだ。
変わらなければなばならない。

視野も狭かった。中学の前半では部活と勉強の板挟みで視野が90度。なんとか頑張って追い上げて、今180度。これを世界を見渡せる360度にしたい。

英語は日常会話でコミュニケーションをとることはできるけど、アカデミックな英語が厳しい状況。英語人の先生からはもっとフルーエントになるようにと毎回言われている。

将来はビジネスで成功して、困っている人を助けたい。

そういうような内容でした。

そして締めの一言が、「お父さん、僕に170万円投資してください。」でした。

父(主人)の回答

「これでは投資できないな。」

これが主人の最初の回答でした。

「お父さんは投資する価値がないものには投資しない。ましてや感情で流されて投資することはない。」

さすがビジネスシーンに身を置く者の発言です。

私はと言えば、完全に感情的に流されていました。甘ったれの我が子が、このままではいけないと危機感を持っていたなんて、考えたことがなかったのです。自分の中の情けない部分や恥ずかしいところに向き合って、そのことを打ち明けるのは勇気がいることでしょう。

我が子に成長を感じました。

主人の言葉が続きます。

「自分を変えるのに留学が必要なのか?」
「自分を変えるなら今の環境でもできるんじゃないか?英語だって素晴らしい環境で(今の学校で)学べているはずだぞ。」

ただ、これで話を打ち切るわけではありませんでした。

「この投資をしたらどういうリターン(効果)があるのか、さらに説明してもらわないとな。」

「それと、お姉ちゃんはどう思う?」

ここまで一緒になって話を聞いてきた娘が初めて口を開きました。

「私は、そこまで真剣に考えているなら… 
 一年間いないのは寂しくなっちゃうけど、行かせてあげて欲しい。」

この一言が、本人のプレゼンよりなによりずし~んと心に響きました。
そしてなんだか暖かい。

たぶん主人も同じ気持であったと思います。

投資のリターンは?

すると翌日にまた資料が配られました。
昨日夜遅くまでやっていたのでしょう。

今度はA4一枚に「どんなリターンがあるか」について、ぎっしりとタイプされています。

一番上にはお母さん(私)に向けての投資効果でした。
お母さんにはこんないいことがあります、と。

僕が自立して実力をつければ、お母さんを守れます、みたいな。

こんなことを書かれてしまったら…(感涙)
応援せずにはいられません。
完全に母親のツボを捕らえています。

ちなみに私宛てに続いて、上の子、お父さん、祖父母、友達へのリターンについて書かれていました。

お父さんに向けてはたったの3行でした。

「わかった。よく読んでおきます。
  まだ結論は出せないから、また週末にはなし合おう。」

「お母さんは先生との親子面談よろしくお願いします。
  また週末にフィードバックしてください。」

ということで、この週は過ぎることになりました。

なかなかの策士だ。

この場面ではなく後日ですが、この「投資リターンまとめ」について主人が言った言葉があります。
「あいつビジネスセンスあるな。」と。

なんでかわかる?と問われ、「それは私の、母親のツボをついているからでしょ!」と自信満々に答えたら、「お母さんはやっぱりビジネスセンスない。」とばっさりやられました。(苦笑)

主人曰く、今回の留学の件で一番の決定権者は誰なのか、という点が重要なんだそうな。
それは明らかに主人なわけで、主人が一番納得することが書かれていなければならない。それをあいつはちゃんとわかっている。

「僕が実力をつけて自立することで、お母さんや家族を守れる人間になれる。」

この点を奴は見事に演出したのです。

先生の理解・後押し

次の週半ば、先生とうちの子と私の3人で面談の機会をいただきました。

うちの子達の学校はとってもフレンドリーで、保護者がいつ行っても明るく親身になって対応してくれます。この日もそうでした。

今日お話する「先生」は当校バイリンガルコースの立役者のような方で、日本のIB界(?)を引ぱってこられた方でもあります。

面談が始まると、すっかり留学決定のムードが漂っていました。

息子め。本当に策士だ。

1年留学に行くことは決定事項。
問題はどこに行くか、みたいな話の流れです。

費用の問題は全く話に上がってこない。

お金持ちのご子息ご令嬢が多く通うこの学校では、若干金銭感覚が薄い。
それが唯一の欠点です。

話が逸れましたので、元に戻します。

先生がまず提起してくださったのは、どんな目的を持って留学に行くのか、でした。
さすがベテランの教育者です。

それによって行く国も変わってくるね、とのこと。

留学目的についてのうちの子の返答ですが、

・自分を変えたい。アウェーに行って自立したい。
・英語を第一言語レベルにレベルアップしたい。
・ビジネス感覚も養いたい。

でした。

よって今興味があるのが、アメリカ、香港、そしてIT大国のエストニアだと。

エストニアも出てきたよ…

いつまでも子供だと思っていたら、そんなこと考えていたんだ。
私も子離れしなきゃ…
ふとそんな思いが沸きました。

留学の行先は?どこに行けばいいの?

最初の話では本人は、交換留学を利用して「アメリカ」もしくは「香港」に行くつもりのようでした。

考えていた交換留学の団体は交換留学の中ではメジャーな団体の1つで、世界中の多くの国へ留学生を派遣しているようでした。ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアなど人気のある国から募集が殺到し、順次締め切られます。

秋まで部活に興じていては、完全に出遅れ組です。

息子が思い立った時には、治安のよろしくない国、あまり馴染みのない国、そしてアメリカが引き続き「募集中」で行先の選択肢として残っていました。

面談前に予習をと思いWEBでいろいろ調べましたが、どうもアメリカでのホームステイでの評判がよろしくありません。

その留学団体の募集数は、ほとんどの国では数名なのですが、アメリカに限っては100名を超える募集で群を抜いています。そんなこともあってホームステイ先が確保しづらく、質も下がっているのでは、と想像するのでした。

この事前リサーチで私の感じたことは、100%当たらずも遠からず、のようでした。

面談でお話ししていて、先生からも同じようなお話が出たからです。

過去交換留学に行った生徒さん達のお話を聞かせてもらいましたが、中には危険なことを経験した生徒さんもいたようでした。
ドラッグを勧められただとか、銃撃戦に巻き込まれそうになったとか…

どうも子供達っていうのは、帰ってきて武勇伝のようにお話するみたいですね。(苦笑)
親や先生方の心配は露知らず。
大事に至らなかったから、よかったようなものだけど…

で、結局どこの国に留学したらいいのだろう?
先生の口から出てきたのは…

長くなったので、ページを別けさせていただきます。

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国際バカロレア ママ
2人の子供たちはIB一貫校で学び海外大学へ。 過酷な(?)MYP〜DPで学ぶ子供たちを傍に見守りながら、いいことも悪いことも感じたことを綴っています。IBDPを取得し、またそれを活かして大学に合格した今振り返ると、いいことの方が多かったかな。日本にもっと国際バカロレアが広がるといいな!という気持ちでサイトを運営しています。
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