英語の民間試験延期、日本の教育改革どうなるの?
英語の民間試験、突如の延期
11月1日萩生田文科相が英語民間試験の導入延期を発表しました。(汗
いわえゆる「身の丈」発言に端を発し、あっという間に延期が決まりました。
今回なんといっても1番振り回されるのは、受験生ではないでしょうか。
突然の変更を余儀なくされた当該受験生の不安を推察すると、かける言葉が見つかりません。
「それだったら、もっと他の勉強ができたのに…」と、テレビのインタビューに答えている学生さんがいらっしゃいました。本当にそうですよね。我が家にも中高校生がおりますので他人事ではありません。
ただやったこと(実用的な英語の勉強)は、今回の受験でなくともどこかできっと役に立つはず。決して無駄にはならないから、悔しいけど頑張ってね、と心の中で応援してます。
英語民間試験導入の背景
ただ私自身の個人的な意見としては、グローバル化を意識して受験が変わってくること自体には賛成です。これまでのような暗記や詰め込み型の学習では、自分で考える力がつかないし、自分の発想を世界へ向けて発信していくことができないからです。日本が衰退してしまう本当の理由は、この辺りにあるのではなかろうかと考えています。
2020年度の受験生から対象となる大学入学共通テストでは「読む・聞く・話す・書く」という英語の4技能を測ることになりました。この点にも賛成です。重箱の隅をつつくような意味のない問題を解くよりも、コミュニケーションができ、発信していける英語力こそが必要です。
しかしながら文部科学省は、こうした4技能をテスト当日に計ることは困難であると、民間試験の活用を決めました。いわば民間の力を借りた形になるのでしょうか。(一部「丸投げだ!」なんて声もあるようですが。)
初年度では英検やGTEC、TOEICなど8種類が利用され、原則として高校3年の4~12月に受けた最大2回の成績が、出願先の大学に提供されることになっていました。
不公平なのは最初から明白だった。
今回の延期は「身の丈」発言によって大臣自らが「教育格差」を認めたような格好となり、「そんなの不公平だ!」との不満が再噴出したためと言えるでしょう。
「不公平」は何年も前から分かっていたこと。
民間英語試験料はめちゃめちゃ高いし、地方からだと会場まで新幹線や飛行機に乗っていかなきゃなりません。
私も保護者会で「お母さん、試験料はケチらないで上げてください。」と先生からお話がありました。
なのにそれを放置して見切り発車し、そして一方的に今回の延期劇。
学生さん達はたまったものではありません。
全部大人の都合じゃないですか。
しかもこの期に及んで腹が立つのが、今回の件の責任のなすり付け合い。議事録出せとか…。
また、大学受験の民間任せはどうか、とか。
(そんなこと言うけど、国ができないんだから、民間の力を活用するしかないのではないでしょうか。)
ともかく議論して欲しいことは、これからどうするかということ。
どうしたら受験生達の負担を軽くしてあげながら、国際人として求められる能力を測れる受験システムが構築できるのか?
そこのところを詰めて欲しいです。
安易に延期してチンタラしていたら、日本は完全に世界から取り残されてしまうと思います。
日本の教育公的支出は最低レベル
この事実はご存じですか?
日本、3年連続で最下位=教育への公的支出割合-OECD(時事通信)
日本の教育への公的支出は、OECD35か国中、3年連続の最下位だそうです。
この前もちょっと書きましたが、日本ってもう先進国じゃないのではないでしょうか。
参考記事:まさかの日本の教育はランキング最下位
細かく数字を見て少し安心したのは、
教育機関別に見ると、日本は小中学校と高校の公的支出の割合が92%で、OECD平均の90%を上回っていたのに対し、大学などの高等教育は31%で、平均の66%を大きく下回った。
時事通信
とのこと。
つまり、極端に「大学への公的支出」が平均を下回っている、ということになります。
この事実って、あまり知られていないのではないでしょうか。
結論
あくまで私個人の意見ですが、この機会にもっと大学教育へ公的なお金を回してもいいのではないでしょうか。
「一律の無償化」や「ばらまき」ではなく、頑張りたい人が報われる仕組みを作っていただきたいです。
オリンピックもいいけど、それ終わっちゃったらどうなるの?
年金問題も大切だけど、子供達の将来はどうなるの?
資源の少ない日本にあって、一番の資源は、「人」であるはずです。
「人」に投資できないなら、この国の将来はない。