国際バカロレア活用入試研究:ICU(国際基督教大学)
国際バカロレア生憧れのICU(国際基督教大学)の概要
おそらく国際バカロレアの学生ならば、ICU(International Christian University:国際基督教大学)に興味を持っている人は多いのではないでしょうか。
というのも、大学の理念と国際バカロレアの理念のようなものが、非常に似通っている気がするからです。
なぜ、世界約50カ国・地域から留学生が集まって来るのか?
ICUは、世界に門戸を開く大学です。人種、宗教、国籍を問わず、また日本人学生、外国人学生、帰国生などと区別することなく、全ての学生を平等に受け入れるため、1955年以降、日本の教育制度で学んだ人を4月に、外国の教育制度で学んだ人を9月に受け入れてきました。そして、多様化の進む今日への対応として、2017年からは、外国の教育制度を経た学生にとって、自分の言語環境や教育背景に合わせて4月と9月のどちらでも入学できるような入学者選抜制度(ユニヴァーサル・アドミッションズ)を順次導入しました。そして献学から65年が過ぎた現在では、多様な教育制度から出願ができること、日本語を基礎から学べる日本語教育プログラムがあること、教育の質が高いこと、リベラルアーツカレッジであることなどを理由に、毎年世界50カ国・地域からの学生が入学します。
このキャンパス環境の中で、日本人同士でも異なる価値観は、海外からの留学生との間ではさらに異なります。多様な教育背景をもつ学生が共に学ぶ、真の多様性に満ちたICUのキャンパスは、あらたな心の眼を開き、国際社会において信頼される人=「地球市民」の素養を養います。
ICU公式ホームページ
うちの子達が通う認定校からも、毎年ICUに進学しています。そんなこともあってか、なかなかレベルの高いところですけれど、行けたらいいなと選択肢の一つに思っているようです。
実は私の従妹のお姉ちゃんが卒業したのですが、どんなところだかあまり話を聞いたことがありません。あの頃は大学名くらいしか知らなかったです。もううん十年前の話。今更聞けません。
ということで、今回は自分自身でICUをめいっぱい調べてみたいと思います。国際バカロレア資格は有利に働くかしら?!
国際基督教大学の基本情報
項目 | 内容 |
学部 | 教養学部 【1-2年次】入学時には専門を定めず、一般教育科目や 基礎科目を幅広く学びます。 【3-4年次】人文科学·自然科学·社会科学の31メジャー (専門)から選びます。 |
取得できる学位 | 学士(教養) |
建学年 | 1953年 |
キャンパス | 東京都三鷹市大沢3-10-2 東京ドーム13個分の緑あふれるキャンパス! |
ホームページ | 公式ホームページ 卒業生のインタービュー |
入学時期 | 4月、9月 |
入学金 | 本科生 300,000円 1年本科生および研究生 150,000円 |
年間授業料 | 1,419,000円(2019年度) |
卒業先の進路 | グローバル企業への就職多し。外資系も多くみられる。 |
ICUの学び 7つの特徴 | ①将来は世界から必要とされる人に ②人生を変える出会いがあなたを待っています ③入学前に専攻を決める必要はありません ④世界の見方が変わります ⑤少人数·参加型授業で伝える力を身につけます ⑥海外の学生と肩を並べて学べます ⑦緑溢れる広い芝生のキャンパス |
国際バカロレア教員養成プログラムがある
と、こんなことを書きながら、いろいろ調べておりましたら、こんなページを発見しました。
ICU内の学修プログラム
そして書かれていたこの言葉。
ICUと親和性の高い国際バカロレアプログラム
とあるのです。
やっぱりそうだったんだ!
やっぱりICUとIBは似通うものがあったんですね!確信に変わりました。
そしてICU内の学修プログラム(5年間で学士と修士を取得するプログラム)の一つに「IB教員養成プログラム」があるそうなんです。
教員養成プログラムを選択するにせよ、しないにせよ、IB-studentsの心を捉えて離さない大学の1つと言えそうです。
ICU卒業生の活躍がすごい
多くICUの卒業生が、各業界で活躍されています。以下ホームページから引用させていただきました。
卒業生は、世界中で活躍しています。例えば元国連大使·吉川元偉さん、元国連人口基金元東京事務所長·池上清子さん、ハーバード大学経営大学院教授·竹内弘高さん、元富士ゼロックス株式会社代表取締役社長·有馬利男さん、元東京エレクトロン会長兼社長の東哲郎さん、ソニー株式会社会長·平井一夫さん、JAXAはやぶさプロジェクトに関わった矢野創さん。ほかにも作家やイラストレーター、音楽家、研究者、ビジネスパーソン、ジャーナリスト・・・多彩なキャリアはICUの特長です。就職希望者の就職率はほぼ100%。大学院進学率は約20%(理系学生は約70%)。小規模大学だからこそ、進路決定まで、ていねいにサポートします。
引用ページ
具体的な就職先も好評されています。
名だたるグローバル企業が多いですね
各所で活躍されている卒業生の方の生の声はこちらにアップされていました。
就職 強いなぁ~、というのが母(私)の感想です。
総合的判断力、創造的思考力、高い語学力を身に着けた学生だから、ボーダレスで変化の早い社会にも対応できる人材として評価が高いのでしょうね。
ICUの募集人数と入試結果
まずは、国際基督教大学にどんな入試の方法があって、どれくらいの募集があるのか、そこから始めてみたいと思います。
入試名 | 募集数 |
ICU一般入学試験 | 300名 (A方式:290名、B方式:10名) |
ICU特別入学選考(AO入試) | 約45名 (A、Bカテゴリーの合計) |
転編入学制度 | 若干名 |
社会人特別入学試験 | 若干名 |
研究生 | 若干名 |
ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月入学帰国生 入学試験 ※1 | ※1※2※3 合わせて90名 |
ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月/9月入学 書類選考 ※2 | ※1※2※3 合わせて90名 |
ユニヴァーサル・アドミッションズ 「4月入学国際学生入学試験」および 「9月入学国際学生書類選考」※3 | ※1※2※3 合わせて90名 |
これらを素直に計上しますと、435名+若干名となります。
実際の志願者と合格者は以下のようになっています。
引用元
2019年度は763名、2018年度は1134名と、ばらつきはあるようですね。
そして指定校推薦入学試験の合格率は100%。いいなぁ。
指定校推薦のある高校はラッキーですね。うらやましい!
ICUの入学者選抜制度 国際バカロレア資格(IBDP)は使えるのか?!
さて、 ICUでは様々な方法で入学者選抜を実施しているとのこと。 ユニークな入試方法がありすぎて、どれを受けたらいいのかわかりませんね。(笑)
ホームページにあったこの表がわかりやすくていいです!
我が家の場合「日本の高等学校卒で、IBDiploma取得予定の方」の欄に注目です。 注)〇印はおすすめという意味のようです。
表によると、おすすめで受けられる入試が4つあることがわかります。
ですが、ユニヴァーサル・アドミッションズ(4月/9月入学書類選考)に関しては、英語のハードルが高いというのと、卒業要件の語学が日本語のため、ICUで英語を伸ばしたいという学生には不向きかもしれません。
ということで、うち子達の場合は、
①ICU一般入学試験、
②ICU特別入学選考(AO入試)、
③ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月入学帰国生入学試験
①②③が、それぞれどんな試験であるのかは、下記にリンクを貼っておくので、ご自身で確認してくださいね。
(実際に受ける方は、必ずご自身の目で確認お願いします。)
①ICU一般入学試験
②ICU特別入学選考(AO入試)
③ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月入学帰国生入学試験
過去問も出ています(PDFがダウンロードできます。)ので、ぜひチェックしてみてください。
ややこしいことに、
①はA方式、B方式があり、
②はAカテゴリー、Bカテゴリーと2つの形式に分かれているようです。
①ではA方式・B方式の併願も可能とのこと、
②は両カテゴリー併願不可です。
①②③が併願できるのかは、調べ切れていません。(すみません。)
ちょっとややこしいので、表にまとめますね。
入試名 | 試験の内容 | 2020試験日 |
---|---|---|
①一般A方式 | 一次試験のみ 「人文・社会科学」または「自然科学」 総合教養【ATLAS】 英語(リスニングを含む) |
2020年2月1日 |
①一般B方式 | 一次:英語(IELTSまたはTOEFLの公式スコア)「IELTS 6.5以上、TOEFL iBT 79以上」であること 一次:総合教養【ATLAS】 二次:個別面接 |
一次: 2020年2月1日 二次: 2020年2月15日 |
②特別Aカテゴリー | 第一次選考:書類選考 第二次選考:面接(グループディスカッション) |
一次(期限): 2019年9月10日 二次: 2019年10月19日 |
②特別Bカテゴリー | 第一次選考:書類選考 第二次選考:面接(自然科学分野の自主研究や理科課題研究についてのプレゼンテーション) | 一次(期限): 2019年9月10日 二次: 2019年10月19日 |
③4月入学帰国生 | 一次試験のみ 英語(IELTS、TOEFLまたはケンブリッジ英検) 小論文(日本語による記述式) 面接(グループ・ディスカッション) | 2019年9月14日 |
特に出願資格など細かいところは、必ず出願前に確認してください。
はてはて、どの入試にすべきか、悩んでしまいますね。募集数が多いのは一般試験ですね。ならバカロレア、要らないじゃん、みたいな。(笑)
ですが、そうでもないですよ。
下記へ。
総合教養(ATLAS)って何?
一般入試A方式とB方式の両方に共通する試験科目の総合教養(ATLAS)って何なのでしょう?
ホームページで調べてみました。
そもそも、ATLASって何?
ATLASとは、Aptitude Test for Liberal ArtSの略で、ICUのリベラルアーツ教育の世界を俯瞰する入試、言い換えれば「ICUの講義が体験できる入試」と位置づけられる新しい入試科目です。2015年度からスタートしました。
試験では、まずあるトピックについて15分程度の短い講義(ミニ・レクチャー)を聴きます。講義を聴きながらメモをとってもかまいません。
その後、講義内容に関する学際的設問と、講義に対して人文科学、社会科学、自然科学の視点から書かれた論述等を読み、それらに関する設問に解答します。合計40~45問、講義部分を含めて80分で試験終了です。
設問自体も上記4領域から文系・理系を超えて多角的に出題され、総合的な思考力が求められます。 つまり、講義の要点をしっかりと聴き取り、資料を読み、自らの知識を動員して考えをまとめ、最も適当と思われる答えを導く努力をすることが試される、そんな入試です。
引用
これ、国際バカロレア生の強みを活かせそうではないですか!
いつもIBで学んでいることです。
落ち着いてやれば、いい勝負できそうな気がします。
まとめ
①世界で活躍できる能力が身につき、就職がいい。
②海外学生も多く、英語が堪能になりそう。
③東京でありながら緑あふれるキャンパス。
④外国人の教員が多い。https://www.icu.ac.jp/academics/undergraduate/faculty/
⑤国際バカロレアと親和性が高い。
①入試が難しそう。どの入試が良いのか分かり辛い。
②学費がわりと高い。
調べれば調べるほど、味のある大学のように思います。
特に印象的なのは、卒業生の皆さんが活き活きとしているところです。
大学で身に着けたことが自信となって溢れ出しているような。
素敵です。
入試に関しては、ICUの中でいくつも併願できるのかを要確認。また、どの試験が自分の強みを一番出せるのか、じっくり考える必要がありそうです。自己分析ですね。
以上、ICU研究レポートでした。