国際バカロレア入試とは?3つのパターンと注意点を早わかり!
国際バカロレア入試3つのパターン
少しずつではありますが、日本国内大学入試で国際バカロレアが活用できる入試制度が広がっていて、現役IBママとしては嬉しい限りです。
これまでも国際バカロレア資格が使える大学入試については書いてきましたが、今回はより具体的にお伝えしていければと思います。
さて、一口に国際バカロレア資格が使える大学受験と言っても、大きく分けると3つのパターンがあります。
①国際バカロレア資格(IBDP)取得者のみが受けられる受験制度があるケース
②帰国子女向けの受験制度に組み込まれるケース
③AO受験に組み込まれるケース
ただし、この3つのパターンにきっかり分けられるものではなく、大学大学で内容が異なりもっと複雑です。
一般受験のように総論で述べられるようなものではないので、自分が興味がある大学は必ず個別に調べていくことが不可欠です。
IB入試ネーミングの件
①の場合、ダイレクトに「国際バカロレア入試」となっている場合もあれば、国際総合入試、グローバル入試などとやんわりとしたネーミングがついている場合も多いです。後者の場合、IBDPに加え、米国 College Board が実施するSATの成績評価証明書でも出願できることも多いです。
③のAO入試自体は国際バカロレア資格がなくても受験できるです。沢山のライバルがIBではない、さまざまな側面から自分を売り込んできます。
AO入試の中でも、「AO入試(IB方式)」とか、「AO入学試験〈国外選考〉」といったネーミングの受験方式では、IB生を対象に募っていると思われます。
国際バカロレア資格の優位性は?
国際バカロレア資格の影響力についても、大学、学部により様々です。
例えば見込み点で出願するだけで正式な合格がいただける場合もあれば、出願要件を満たすだけのことであったり、考査の参考程度である場合もあります。
効果絶大なケースから、参考程度まで、まちまちですね。
IBDPスコアについては、最低点が設けられている場合もあれば、特にない場合もあります。
IBDPの合格者の平均点はホームページなどで公表されている場合もあれば、非公表の場合もあります。
IBDPスコア(国際バカロレア機構からの公式な成績表)だけの提出を求められる場合もあれば、EE(xtended Essay 課題論文)などの提出が必要な場合もあるようです。
付け加えておきますと、多くの場合国際バカロレアだけでなく、その他の要素(高校での成績、英語能力検定の結果、自己アピール文、面接等々)と総合的に判定されるようです。
本当に複雑です…(汗
国立?私立?
当初の私は、IB認定校に国公立が非常に少ないため、国立大学では国際バカロレア資格はほとんど使えないのではないかと勝手に思っていました。
ですが、それはいい意味で裏切られました。
名の通った人気の国立大学が受験に国際バカロレア資格を活用することに積極的に取り組んでいます。しかも工学部などの理系の分野にも開かれています。
これまで国際バカロレアと言えば「リベラルアーツ(教養学)」「国際関係学部」という先入観が強かった私ですが、一流国立大学の理系の学部においても国際バカロレア資格が通用するようになってきたのかなと思うと、とっても嬉しいです。
将来理系に進みたいIB生は、ぜひ国立大学も調べてみてくださいね。
求められる英語要件
英語要件も①②③問わず、求められることが多いように思います。例えばTOEFL iBT 90点以上とか、IELTS band 6.5以上と言った具合です。
ただし、国際バカロレアDPプログラムを英語で履修した場合、英語能力検定の成績証明書の提出は免除される場合もありますね。IBDP、ナイスです!
海外在住期間の要件
特に帰国子女枠の受験を狙う場合に重要になってきます。
多くの場合、下記の例のように在住期間が要件となっています。
(例)日本国外に所在する日本の教育制度以外の課程による中等教育機関に最終学年を含め2年以上継続して在籍し、卒業もしくは卒業見込みの日本人等
しかし、中には海外在住経験がなくても日本国内のインターナショナルスクールで学んだ場合はOKだったり、日本国内の国際バカロレア認定校で学んだ場合はOKだったりします。
必ず入試要項で確認してください。
自分に合った受験方法は?
上述の通り、国際バカロレア資格を活用した大学受験には、様々なパターンがあります。
まずは自分の行きたい大学、学部でどんな受験方法があるかを確認してみましょう。
「国際バカロレア入試」というネーミングになっていなくてもIBDPを活用できる入試もありますので、しつこく調べてみてください。
場合によっては、2つ以上の入試の受験資格を満たすこともあると思われます。
例えば、国際バカロレア入試の応募資格も満たすし、帰国子女枠の応募資格も満たす、というように。
大学によっては、併願できる場合もあります。一方できない場合もあります。
どの受験方式が自分の実力を発揮するのに向いているのか、じっくり精査してみてください。
わからないことは大学へ直接お問合せすることをお勧めします。
国際バカロレアの注意点
ここからはIB入試の注意点について書いていきたいと思います。
繰り返しになりますが、国際バカロレア入試と言っても大学によって様々ですので、行きたい大学はどうなっているのかな?という視点で常に読み進めてください。
また重要なことは「入試要項」に書かれています。志望校が決まったら早々に入手して隅から隅まで読んでくださいね。
履修科目は大丈夫?
大学の学部によって、IBの履修科目が定められていることが多いです。
特に理系分野は要注意です。
履修指定科目は要項に明記されています。
SLとかHLという表記をよく見かけませんか?
これはSL=スタンダードレベル、HL=ハイレベルの意味です。
子供達は、マスハイ(Math High Level)だ、ヒスハイ(History High Level)だと言っております。
大学側の求める科目を履修していないと、受験の資格を満たすことができません。(要するに受験できません。)
理系を考えている人は、マスハイ(Math High Level)やその他理系科目(Biology・Chemistry ・Physicsなど)のHLが必要になってくることが多いようです。
もう一つ、悩ましいのが経済学部系。
がちがちの理系ではありませんが、マスハイが必要になることも多いようです。特に海外で多いって聞きました。
早い段階で進路を考え、科目を選択することが重要になってきますね。
合格者を出してくれてる大学ですか?
さてさて、受験しようとしている大学は、ちゃんとIB生の合格者出してくれていますか?
何が言いたいかというと、国際バカロレア入試なんて名ばかりで、国際バカロレアを低評価している大学がまだまだ沢山あるとのことです。(先生からのお話です。)
残念ですが、古い体質からなかなか抜け出せずにいるのでしょう。
でも、その一方で有名国立大学の教授が自らIB入試について講演してくださっています。このように柔軟に真価を評価してくれる大学はますます発展していくんだろうなって想像します。
ビジネス同様、信用のおける大学であれば情報公開されており、合格実績はHPにて公表されています。
どれくらいの人数がIB入試(もしくはそれに準ずる入試)を受験し合格しているのか、ぜひ一度確認してみてください。大学の本気度が伺えます。
見込み点での出願であることを忘れないで!!
国内の多くの場合、IBDP見込み点での出願になると思います。
見込み点についてはこちらに詳しく書いてます。
国際バカロレアの見込み点はどう出すの?IB模擬試験(MOCKテスト)が重要なわけ。
ですので多くの場合、合格は仮の合格となります。この場合、無事に秋(11月)の国際バカロレアの本番の試験に合格することで正式な合格となります。
一方、不合格となりディプロマが取得できなかった際には、合格も取り消されることが多いです。
ということで、早く大学が決まっても本番のIB試験までは気が抜けませんよ!
入試内容がコロコロ変わる
先生曰く、IB入試はころころ変わって、昨年の受験と今年の受験ではまったく違うものになることもあるそうなんです。2020年大学入試改革と相まって、大学側も試行錯誤の状況なのでしょう。
変更点は応募要件や出願方法、スケジュール等々、大きい変更から小さいものまで様々でしょうが、指定履修科目には気を付けておきたいですね。
とにかく早めに入試要項を必ず公式HPから入手して、詳細を確認してください。
わからないことは直接聞く
入試要項を読んでいても、なんかよくわからないこともありますよね。
そんな時は学校の先生に聞くのもいいですが、一番確実なのは大学に直接聞くことだと思います。
大学のホームページでは、入学案内のページがあり、「お問合せ」が必ずあります。
たいがい電話でもメールでもコンタクトをとることができます。
他でもない自分自身の入試です。自らのことは自ら解決。わからないことはそのままにせず、アドミッションズ オフィスと呼ばれる入学事務局へ直接連絡を取ってみてはいかがでしょうか。
3つのパターンと注意点まとめ
国際バカロレア入試に限らず、今いろいろな大学が様々な選考方法を新たに設け、受験が複雑化しているように感じます。
一見すると複雑で煩わしくも思えますが、これまでのようにテストの点数のみで合格を判断するのではなく、生徒さん一人一人の人物に焦点を当てて評価することがそもそもの狙いです。
IB生にとっては追い風です。
ぜひ準備万端で臨みましょう。
十分な準備のためには、早めにゴール設定することも重要です。
特に指定履修科目のことを考えると、行きたい大学から逆算して、選択科目を考えなければなりません。ということは、DPプログラムが始まる時(高校2年生)にはおおよその方向が決まっていることが望ましいです。
的を絞ることが大切!
大学を調べ始めると、この大学もいいな!あの大学もいいな!となり、選択肢が増えてしまうことはありませんか?
しかしながら、ここまで書いてきたとおり国際バカロレア入試はかなり複雑で、大学ごとに個別の対策をしていかなければなりません。
忘れてはならないことは、大学受験の準備は普段の勉強(とてもハードなDPプログラム)と並行して行っていくことになります。これは大変な労力です。
的を絞って準備していかないと、どれも中途半端でいい結果につながらなくなるでしょう。
ちなみにですが、うちの子供達の学校では、国内大学の出願は1生徒3校までとの決まっています。
1校はチャレンジ、2校目は五分五分のところ、3校目は滑り止めで、全員現役合格を目指しているようです。(海外大学の制限はないようです。海外は出願時期がずれているからということもありそうです。)
この3校までという数字が良いのかどうかは置いておきまして、DPの勉強をしながらそんなに沢山の受験の準備はできないし、いい結果は出せないということなのです。
また先生方も3校まで絞り込んだ中で最高の応援をしてくださります。
最初は3校までというのに、もう少し増やして欲しいなという気持ちもありましたが、今では妥当なところなのかなと思っています。
みなさんがこれまでに培ってきた実力を発揮できますように。
頑張れ、IB生!