国際バカロレアが入試で使える国立大学で英語で学位取得!
英語で学位取得できる国公立大学がこんなにあった!
この記事は 英語で学位取得できる国内大学と国際バカロレア入試 の続編です。
今回はその中でも国公立大学に焦点を当て書かせていただきます。
実は英語で学位取得ができる学校が、こんなにありましたというお話です。
私の感覚で話すこと自体古いのかもしれませんが、英語で講義を受けられる大学といえばICUとか上智。新しいところで言えばAIU(秋田県にある国際教養大学)とか立命館のGLA。
あとはミッション系が英語に強いのかな~、ぐらいなイメージでした。
要するにAIUは公立大学ですが、あとは私大しか思い浮かばないのです。
ところが調べてみたら、以外にも国立大学でもすべてを英語で学ぶようなコースが用意されていることを知りました。
しかも、必ずしも教養系の学部だけではありませんでした。
まずは表を見ていただきましょう!
英語で学位取得できる国公立大学
【お願い】
ここでの情報は、私が記事を書いた点での情報です。全ての大学を調べ切れていませんし、100%解釈しているとは言い切れません。
また状況は日々変わると思われますので、必ずご自身で公式HPより最新情報を収集してください。
※クリックすると図が大きくなります。
表の見方の補足
取得できる学士については、確認できたものを掲載していますが、日本語でしか確認できなかったものは日本語のまま載せました。
国際バカロレア入試の有無・IBDPが受験資格を満たす試験の有無などの欄につきましても確認できた範囲で掲載しています。
「-(横棒)」がついているところは、日本国内で学んだ学生が受けられる試験がなかったり(つまり帰国子女でなければだめ)、日本国籍では受験資格がない、一般の試験を受けて入ってきてください、というようなことになっています。
繰り返しで恐縮ですが、受験の際は最新の情報を当該大学の公式ホームページで確認してください。
実は多い工学部・理学部の英語コース
ここ1か月ず~っと調べていた思ったことには、国立の場合、私立と違って目立つのは、理系学部の多さなのです。一方私立の場合、国際教養(リベラルアーツ)的な学部が多いように思います。
日本の先端技術を支える理系の分野で、英語による学位の取得が目指せるとはあまりイメージがなかったです。これは素晴らしいと思います。
名だたる国立大が英語学位取得コースを開設しています。
上の表をご覧いただけるとわかると思うのですが、北大、東北大、筑波大、東工大、名古屋大学、京大、大阪大、九州大と、工学部、理学部系が目立って多いと思います。まさに日本の頭脳です。
なかでも名古屋大学と筑波大学は多数の英語学位コースが設けられています。
名古屋大学は理系コースが7、文系コースが3の合計10コースです。
筑波大学は全5学群で展開されています。
思うのですが、英語って出来ないよりできた方がいいですけど、英語だけ出来ても意味がない。
このように理系の専門分野を英語で学び習得すれば、本当の意味での実力をつけられるのではないでしょうか。
反対に文系より(教養学部など)の英語学位コースがあるのは東大、横国、AIUだけです。
英語学位取得コースの増設の背景
今回調べていて初めて知ったのですが、こうした国立大学が英語学位取得コースの開設の背景には、グローバル30というものがあるようです。
グローバル30というのは、2020年を目途に30万人の留学生受入れを目指す「留学生30万人計画」の一環のプロジェクトで、大学の国際化のため、文部科学省が日本の国公私立大学を対象とした支援事業のひとつです。
グローバル30については、また改めてまとめていきたいと思いますが、これを契機に英語による授業のみで学位が取得できるコースの大幅な増設となったそうなんです。
う~む。そもそもが留学生を受け入れるためのプログラムのもと増設されたのですね。
なるほど。
だから日本人学生にはそもそも門戸が開かれていないというか、歓迎されていないわけですね。
そういう経緯なら頷けます。
※これは、嫌みで言っています。
本当の国際化ってなんだろう?
私は今回かなりの数の大学のホームページを、そして応募要項を読みました。
たぶん誰にも負けないくらい読みました。
そして感じたことがあります。
日本国内で普通に勉強してきた日本人学生は、これらのコースに歓迎されていない、ということです。
それは入試の仕組みを見ればよく分かります。
出願要綱の応募要件(eligibility)で、日本人は対象外であるとか、海外に何年以上住んでいなければ対象外であると書かれています。
つまりうちの子供達は、こういう大学には応募できないのです。
でも中には国際バカロレア入試が用意されていたり、IBDPが受験資格を満たす場合もあります。
表中の「国際バカロレア入試の有無・IBDPが受験資格を満たす試験の有無など」の欄を見てください。
ここに書かれている入試であれば、日本にずっと住んできて、日本の学校に通い国際バカロレアを学んでいるうちの子供達にも受ける資格があります。
一方、欄の「ー(横棒)」のところは、極端に言うと日本で取得のIBDPは一切役に立ちません。
特にがっかりだったのは、東大、京大。
東大は帰国子女じゃなきゃだめだし、京大は一般の試験に受かってから応募してください、とのことです。九州大学は英語コースに日本人学生は入れません。
追記)2020.3.12 訂正させていただきます。
東京大学PEAK入試は、帰国子女でなくとも応募できるかもしれません。
日本国内のインターナショナルスクール生でも、その他の要件を満たしていれば応募資格ありと公式ホームページのFAQにありました。であるならば、日本国内の一条校の英語IBDP生も未確認ですが、応募資格を満たす可能性もあるかもしれません。(IBDPは要件1を満たしています。)
詳細は必ず個別にアドミッションオフィスに問い合わせてください。
国の旗振りのもと日本国内で国際バカロレアを学んでいても、優秀な国立大学が受け入れてくれないなら、それはIB生という将来を担うであろう人材が国外流出しても仕方がないです。
また、留学生を多く呼び込むことには大賛成ですが、(英語学位コースにおいて)留学生だけのクラスって変じゃないですか?
よくわからないですけど、他の国の大学に留学したらそんなことあるのでしょうか?
きっとその国の学生達に混じり共に学び、本当の意味での絆も深まるのではないでしょうか。
留学生だけひとまとめにされているようなクラス編成なんてあるのだろうか。
なんかちょっとやっていることがチグハグしているように思います。
本当は学生みんな海外に留学できれば一番いいです。
けど、実際問題、経済的な理由などもあって行きたくてもいけない場合も多いでしょう。
もし日本の国立大学で高度な内容を留学生らとともに「英語で学ぶ」ことができたら? 英語で学位取得できるなら?
より多くの学生にチャンスを与えられるのではないでしょうか。もっと沢山の留学生と、そして日本人学生も呼び込むべきだと思います。
優秀な国際的人材育てるためにも、今真剣に考えなければ、いずれ大きな代償を払うことになるのではないでしょうか。