国際バカロレア教育からなぜ離脱?認定校をやめた理由とは
国際バカロレアをやめる人は一定数いる。
今回は国際バカロレアをやめる理由についてまとめてみたいと思います。
続編>>>国際バカロレア認定中学校卒業 その後の進路3つのパターン
当ブログは「母親の目からみたアレコレ」ということで、
あくまで現役IBママの私が傍らから見ていて感じた事を
ざっくばらんに綴っているブログです。
あくまで一つの感じ方としてお読みいただければ幸いです。
見出しにも書かせていただきましたが、幼稚園から
このような英語を中心とした教育に関わってきましたが、
その途中途中で離脱していく人が一定数いるということは
明らかです。
「離脱」というと聞こえが悪いかもしれませんね、訂正します。
進学の都度、自分の将来を見据えて、国際バカロレアではない方を
選択しているということです。
やめる理由は親の転勤など一般的な理由もあれば、
IB特有の理由もあるように思います。
またやめるタイミングによっても傾向あるような気がして、
まとめてみることにしました。
その前に、国際バカロレアと日本の学校では年次が若干違いますので
下記に一覧表を張り付けておきますね。
小学校へ上がる段階でのやめる理由
幼稚園や小学校は、子供の意思で選べるものではありませんよね。
したがって小学校の頃までは親の意向が強いと思われます。
話が逸れますが、幼稚園の思い出はとっても楽しいものばかりです。
クリスマスやハロウィンパーティーは本格的だし、
ポットラックパーティーにパジャマパーティ。
異文化を学ぶインターナショナルDAY。
教室はカラフルで、どれもユニーク(先生の個性の現れ?)
様々なワークショップがいつでも開かれていて、参加型。
いろんなことに興味を持てるような仕掛けが沢山あります。
子供たちはみんな臆せず英語で話します。
「これなら楽しく英語が身につくわ!!」
いや、これで身につかないはずがない!、と母親の私には思える、
何ともやらやましい空間なのです。
イベントは保護者も一緒に参加できるものも多く、
どうかすると親御さんの方が楽しんでいたりもします。
私もインターナショナルDAYでは、その年のテーマ国に合わせて
チャイナドレスを着て参加してしまいました。(笑)
こんな経験(=チャイナドレスを着る)なんて、最初で最後かもしれませんね!
ですが、幼稚園卒業後に普通の公立小学校へ切り替えるお子さんが、
数としては一番多いように思います。
つまりインターナショナルスクールな「異空間」はひとまずここまでにして、
義務教育は「普通」に戻して、日本語で学ばせたいという方もいらっしゃるのですね。
それと、もう一つには経済的な問題もあるのかもしれません。
日本ではある程度質の高い義務教育が小学校・中学校の9年間
「無償」で受けられるわけです。
方や国際バカロレア認定校は学費が半端なく高いことがほとんどです。
もしもこのままIBを続けさせてあげたいと感じたとしても、
その代償(学費)は大変なものになります。
この先のどこかの段階で切り替えるなら、今切り替えたほうが良いと
感じるのではないでしょうか。
ごく一般的なご家庭でしたら、ある意味当然の選択かもしれません。
中学校へ上がる段階でやめる理由
先ほど幼稚園はと~っても楽しかったと書きましたが、
小学校ともなると勉強もだんだんシビアになってきます。
手放しに楽しめない部分も。(笑)
まだ低学年のうちはいいのですが、高学年になると
親もだんだん教えられなくなってきますね。
うちの子供たちの学校は英語でやった教科には「バックアップ」という
日本語でフォローする授業があります。
例えば、Mathバックアップ、Scienceバックアップという具合で、
日本人の先生が週1回程度補講してくれます。
こういう時(特に理系の学問)に、子供も親も日本語で学んだ方がいいな、
感じることもあるようです。
また多く聞かれるのが、日本語をもう少し厳しめにやって欲しいというもの。
確かに普通科のお子さんは「漢字」や「日本語のきまり」をかなりの
時間をかけて学んでいるようです。
対してバイリンガル教育の子供たちは…
うちの子は、確かに漢字苦手です。(涙)
小学校高学年にもなると、「俺は英語はもう嫌だ。」と
はっきり言うお子さんもいるようですね。
子供の意思を尊重すべきか、
それでも国際バカロレアをがんばってやってみよう、なのか。
どちらが正解ということではないと思います。
どちらを選んだとしても、我が子を全力で応援してあげたいものです。
高校へ上がる段階でやめる理由
中学校になると、MYPプログラムが始まり、勉強の方はますます
ハードになります。
勉強の量も質も求められます。
ボランティア活動などの課外活動も求められます。
真面目にやればやるほど、へとへとになります。
そして小学校までと明らかに違うのは、評価(成績)です。
criteria(クライテリア)と呼ばれる独特の基準と、それらをもとに判定された
MYP Gradeという2つの評価です。
これが、これまでの日本の教育とはまったく違うものなのです。
これには子供ばかりでなく、親も困惑してしまいます。
いわゆる日本の教育なら優秀な成績のお子さんも、
この基準ではズタズタなこともしょっちゅうあります。
親の方も国際バカロレア教育を理解していないと、
「うちの子はできているはずなのに、(例えば全国模試では上位なのに)
どうしてこの評価?」
とこの評価に不満を覚える方もいます。
いわゆる❝問題を解いたり、知識を問うようなテストでいい点を取ること❞は
国際バカロレア教育ではあまり意味を持たないような気がします。
次にTASKの存在です。
また詳しく書きますが、ものすごくざっくりいうと
夏休みの自由研究みたいなものです。
これがバンバン出されます。
そして、評価はもちろんのことですが、
締め切りが非常にシビアです。
この締め切りが守れない子は、国際バカロレアには向いていないでしょう。
あまりにも守れないと、先生の方からもこのままでは上がれないよと
他コースへ促されます。
提出期限についてはかなり厳しく言われますね。
社会に出たら当然のことですが。
そんなわけで、日本の大学受験を的にしている教育とは
評価がまったく違ってきます。
高校へ上がる段階で国際バカロレアをやめるお子さんの多くは
「進路」を考えた上での選択が多いように思います。
海外大学へ留学する気持ちが全くないなら、
高校は国際バカロレア教育ではない方がいい、
といった事情もあるのではないでしょうか。
例えば医者の家系であったりすると、
日本の有名医大を出てた方がいい、という選択もあるようです。
最近では国内受験でも国際バカロレアが使えるように
なってきてますが。
それと、これはそう多くはないケースだとは思いますが、
部活動やその他習い事など力を入れていることの兼ね合いです。
高校に上がりDP(ディプロマ・プログラム)になると
ますますハードになり、時間に追われると聞きます。
部活や習い事などを優先し、国際バカロレアプログラムを
やめることもあるようです。
高校でも部活(特に運動部)をしっかり続けたいと
思っているようなお子さんには悩ましい問題ですね。
まとめ
➡今後IBを続けるほどに嵩む学費の問題
➡英語が嫌い。ついていけない。
・親の意向
➡日本語で勉強した方が身につくのではないか。
高校へ上がる段階でやめる理由【本人の意向】
➡進路の問題。海外大学に進学する予定はない。
➡IBがハードすぎてについていけない。提出物が守れない。
➡部活動や習い事が思いっきり出来ないから。
以上、私が周りから情報を得たり肌で感じたことを率直に書きました。
人それぞれに考え方があると思います。
それでも続けて欲しいなと、私は思っていますが、
もう親の意向だけではだめですね。
子供の意思を尊重しつつ応援したいと思います。