国際バカロレア始めるならMYP(ミドルイヤーズプログラム)がおすすめな理由
国際バカロレアMYPプログラムとは
まずこちらの表をご覧ください。
国際バカロレアの年次表です。
日本の学校教育の年次とは違ったものになっています。
IBのプログラムは、
●初等教育プログラム(PYP:3歳〜 12 歳)
●中等教育プログラム(MYP:11 歳〜 16 歳)
●ディプロマプログラム(DP:16 歳〜 19 歳)
●キャリア関連プログラム(CP:16 歳〜 19 歳)
の4つとなっています。
この表ではCPついては割愛させていただいています。
そもそもIBは 1968 年に創設されたディプロマプログラム(DP)
から始まりました。その後、大分遅れてになりますが、
1994 年に「IB中等教育プログラム」(MYP)を、そして
1997 年に「IB初等教育プログラム」(PYP)を設置され、
国際教育に取り組む、3歳から 19 歳までを対象とした
一貫教育プログラムとなったのです。
まさにIBが始まってから20数年後のMYPプログラム誕生、続いてPYP誕生。
これにより国際バカロレアプログラムは一貫教育として確立されたのですね。
詳しくはこちらを参照ください。
IBO(International Baccalaureate Organization:国際バカロレア機構)
の公式HPにある資料です。
ただし、ちょっとわかりにくいかもです。
学術的な資料は豊富なのですが、教育関係者でない人には難しいのでは。
少なくとも私には難しい…(汗)
ということで、母親目線でかなり噛み砕いてこのサイトにまとめて
いきたいと思います。それが私の役目かな。
さて、MYP設立の歴史は下記を引用させていただきます。
下記にもありますが、MYPプログラムは
DPでの将来的な成功を見据えた準備期間と位置付けられています。
MYPは、11 歳から 16 歳の生徒を対象に、やりがいのある学習活動を提供し、
生活スキルを育成する、一貫的かつ包括的カリキュラムの枠組みとして構築され
てきました。この時期は、若者の成長発達における臨界期です。学校での成功は、
個人的、社会的、情緒面での幸福に深く関連しています。アイデンティティーが
確立し自尊心が育つこの重要な時期において、MYPは生徒にやる気を与え、
教室、学校の枠をこえた生活の中で成功する助けとなります。MYPは、生徒が
個人の強みを足がかりに、あまり得意としない科目での挑戦をも受け入れること
ができるようなプログラムになっています。また、生徒が自分の可能性を広げ、
好きな勉強を探究し、身の丈にあったリスクを負うことにも挑戦し、確固とした
自分だけのアイデンティティー意識と向き合い、それを育む機会を提供します。
MYPの実践は、生徒が学習においていっそう成功できるようにするための
学校をあげての活動です。すべての生徒がプログラムの恩恵を受けることが
できるというIBの信念のもと、プログラムは包括的に構成されています。MYPは、中等教育用のカリキュラムを展開させたいと願う国際教育に携わる
教師や学校管理職のグループによる構想から始まりました。このカリキュラムは
DPの理念を多く共有し、DPでの将来的な成功を見据えた準備期間として
想定されていました。1987 年に、ある程度の多様性を考慮した枠組みを作成し、
MYPカリキュラムの第一稿が生み出されました。この枠組みでは、急激に
グローバル化する社会に参画するために必要なスキルと態度を養い、概念と
知識を理解することに焦点が置かれていました。MYPは、学校で実際に生徒と向き合う教師の構想と取り組みから生まれ
ました。1980年の最初の構想から現在に至るまで、MYPの発展に貢献して
きた個人やグループ、研究成果は、IB資料(英語版)『History of the
Middle Years Programme(中等教育プログラムの歴史)』(2010 年刊)に
見ることができます。2010 年、IBはプログラムの大がかりな見直しを開始し、
2014 年には、本文書と新しい各教科の『指導の手引き』の発行に至りました。
開設以来、プログラムは著しく発展しています。今後も生徒や学校のニーズ、
急速に変化する世界の需要に応じ、人間開発と学習プロセスに対する理解の
変化と共に発展し続けていくでしょう。
DPが出来てからすぐ後にMYPが出来たかと思いきや、そうではなく、
現場の先生方の熱意の賜物であることは感慨深いですね。
長年の月日をかけて、じっくりと練ら上げられたプログラム。
しかも今もなお急速に変化する世界に合わせ、進化し続けているのです。
MYP(ミドルイヤーズプログラム)で学ぶこと
MYPは11歳から16歳までの生徒を対象としたプログラムで、生徒が創造的、
クリティカル(批判的)、内省的思考を身につけることを促す学習の枠組み
を提供します。MYPでは知的な課題を重視し、各科目の学習内容と実際の
社会を結びつけるよう生徒に働きかけます。これにより、コミュニケーション
や多様な文化の理解、グローバルな関わりのためのスキル、つまりグローバル
リーダーとなる若者に欠かせない要素を育成します。MYPには、ほとんどの国や地域で定められたカリキュラムの要求に
十分に対応できる柔軟性があります。IB初等教育プログラム(PYP)で
身につけた知識、スキル、姿勢を活かし、IBディプロマプログラム
(DP)やキャリア関連プログラム(CP)の厳しい勉強に対応できるよう
生徒を導きます。MYPでは、以下のような取り組みを行います。
• 生徒の知的、社会的、情緒的、身体的な発達に、全人的(ホリスティック)
に取り組む。
• 生徒が複雑な問題に対応し、未来に向けた責任ある行動をとるために必要な
知識、姿勢、スキルを育む機会を与える。
• 8つの教科を通して、幅広く深い理解が得られることを保証する。
• 生徒が自国の文化と他国の文化を理解できるよう、2つ以上の言語の学習
を義務づける。
• 生徒に、コミュニティーの奉仕活動に参加できる力を身につけさせる。
• 進学や就職、生涯にわたる学習に取り組めるよう生徒を導く。
こちらは教員の方向けのガイドですが、
どんなことが学べるのかを知ることができます。
こちらを元に、保護者会で教えていただいたことや
子供達からの情報も鑑みつつ、読み解いてみたいと思います。
生徒たちは、
●創造的、クリティカル(批判的)、内省的思考を身につけることを促されます。
●各科目の学習内容と実際の社会を結びつけるよう求められます。
●コミュニケーションや多様な文化の理解や
グローバルな関わりのためのスキルも求められます。
特に習ったことを、現実社会に結び付ける学習は、
じつにIBらしいと思います。
例えば数学のタスクであったのですが、テーマは黄金比。
この黄金比を調べてレポートするだけではだめで、
実際この黄金比がどんなふうに現実社会で利用されているのか
まで深く掘り下げなくてはなりません。
数学の宿題で、ですよ。
「問題を解く」という宿題ではないのです。
計算問題や文章題を解くことよりも、
どうしてそうなっているのか?
どの様に社会で利用されているのか?
の方がはるかに重要であるのです。
「こんなのが勉強でいいの?」
1ミリも問題を解いていない我が子の姿は一見遊びに見えたりして。(笑)
それこそ最初の頃は、親の私の方が困惑してました。
MYPでの取り組み(ざっくりとまとめますね。)
●知的、社会的、情緒的、身体的な発達すること。
●すべては未来に向けた責任ある行動をとるために。
●8つの教科を通して、幅広く深く理解する。
●自国の文化と他国の文化を理解するため2つ以上の言語学習。
●コミュニティーの奉仕活動に参加する。
●生涯にわたる学習。
上記は嘘偽りでなく、本当にこういう勉強の仕方です。
単に問題が解けるとか、偏差値が高いことを
目的としていないことがよくわかると思います。
現役IBママの私の頃とは、まったく違う学び方です。
MYPは勉強だけじゃなく、人間的にも成長できるとプログラムだと思います。
なぜMYPが重要だと考えるのか
MYP認定校はまだまだ数も少なく、なかなか学ぶ機会が
得られないというのも現実だと思います。
ですが、もし可能であれば、国際バカロレアを学ぶなら
MYPから学ぶことをつよくお勧めします。
国際バカロレアの資格取得に必要な要件はDP(ディプロマ)
プログラムの履修だけでよいのですが。
(もちろん試験に合格する必要があります。)
DPの2年間でIB的思考を身に着けるのは、至難の業で
あると思うのです。
またIB的評価にも慣れておく必要があるかと思います。
評価についてはまた書いていきたいと思いますが、
これがまた難解です。
評価については、親子していまだに戸惑うことがあります。
「なんで(思っていたより評価が)低かったのかな。」
「もう少し深堀した方がよかったのかな。」
「今日先生にどこがダメだったか聞いてきたよ。」
こんな親子のやり取りをしょっちゅうしています。
とにかくわからないことは先生に聞いて!
少しずつ少しずつ理解を深めている最中です。
でもこんな風に少しずつ納得するまで質問して
進んでいけるというのもMYPならではです。
いきなり本番のDPではかなり焦るかもしれません。
DPでいいスタートを切るためにも、機会をえられるのであれば
MYP(ミドルイヤーズプログラム)をお勧めします。